大手日系メーカーの中堅社員のニューヨーク赴任について

大手日系メーカーの中堅社員のニューヨーク赴任について

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前回からの続き

 

ひいき目に見て中の上ぐらいで、客観的にみて中の中ぐらいの社員が

海外に1年研修で仕事をすることになったという話の続きですが、

ぶっちゃけて言うと、現地の人にあまり評判がよくないわけです。

この研修。

少なくともアメリカで評判が悪い。

というのは、僕みたいな人間がひょっと海外に1年ばかり突っ込まれても、

何もできない可能性が高い。

そうすると、お世話だけさせられてなんの成果も得られないし、

なんかこの日本人、気持ち悪い。みたいなことになるわけです。

ちなみに人件費は本社から出ているので、懐はあまり痛みません。

 

僕の場合は、僕の所属する事業本部トップがニューヨークに行かせたがったので

どんな仕事をするのか、よりも先に、ニューヨークというのが決まりました。

非常に、日本的な決まり方ですね。

彼の話を聞いていると、彼の頭の中には要するに、電波少年の猿岩石みたいな

イメージがあり、「ひどい目に合ってほしい」のだと。

西海岸のオフィスには日本人が多いので、日本人の少ないニューヨークで

ひどい目に合ってきてくれと。

「溺れているうちに泳げるようになるし人間成長する」という

本当なんだかうそなんだかわからない、でも、よくある嗜好性です。

 

問題は、現地が嫌がったことです。

最初に事業本部内の伝手で打診した部署は

打診のレスが1か月滞ったり、「検討します」とだけ返ってきたり

3か月ぐらいごねごねされた後、

最終的には「そんなやつを受け入れている暇はない」と断られました。

しかし、断ったやつが別の部署を紹介してくれまして、

その部署は余裕があるらしく「ええで」と脊髄反射

ところが、現地のHRのトップ(米人)が嫌がりまして、

「今までそのプログラムで受け入れたやつは、ろくな成果も出さず、

 特に成長もせず、ただ飯を食らって帰って行った」と

ぐうの音も出ないことを言いやがり、

アメリカ人というのは、摩擦を恐れず正論を言うもんだなあと感心し、

それでもこいつらのリージョン、赤字なんだなあ、と

さらに感心してしまいました。

3か月ほど、現地のHRの日本人とアメリカ人がなにやら交渉した挙句、

「今回の研修にあたって何を実現するか」と言ったような趣旨の計画書の

提出を条件に、受け入れてやってもいいということになり、

1月ごろから受け入れ先を探し始めてから、はや6ヶ月。

6月末ごろにようやく正式に決まったわけです。

ここから銀行だの、クレジットカードだの、なんやかんやの

具体的な準備が始まります。

(つづく)